こんにちは。練馬区にある矢崎会計事務所所長の矢崎です。
全3回に分けて、法人化と申告漏れ・所得隠しについてシリーズでお送りしています。
最終回の今回は経費と所得隠しについてです。
【法人の経費】
そもそも経費とはどのようなものでしょうか。
よく「これって経費になりますか?」というような質問を受けますが、分かっているようで分かっていない方が多いのではないでしょうか。
税額は、「(売上-経費)× 税率」のように計算するため、経費が多ければ多いほど税額を抑えられます。
そのため経営者としてはいろいろな出費が経費として落とせるか否かに関心が向くわけです。
さて、経費とはの質問の答えですが、「事業を行うために支出したコスト」を指します。
つまり事業との関連性が認められなければ経費として認められず、所得の計算上売上から差し引くことができなくなります。
経費になるか否かは、売上への結び付きを明確に説明できるか、という視点で考えてみるとわかりやすいと思います。
チュートリアルの徳井さんの「所得隠し」では、個人的な旅行代や洋服代、アクセサリー代を経費として計上していたことが指摘されました。
同じ旅行代や洋服代でも事業との関連性が説明できれば何ら問題ありません。
例えば、取材や打ち合わせのための旅行代は当然事業に結び付く渡航費になりますし、プライベートでは使用しないような舞台衣装も費用になります。(紅白恒例だった小林幸子さんの衣装も日常生活では着られませんよね)
この線引きを(意図的に)誤ったため経費とは認められず、悪意のある所得隠しとされたのです。
社長のプライベートな支出を会社の経費として計上することによるリスクは、法人税の追徴課税だけではありません。
本来個人が負担すべき支出を会社が代わりに払ったわけですから、その分社長個人は得をしています。
その得について役員報酬として認定され、それに伴って所得税や住民税、社会保険料などが増額となる可能性があります。
そしてこの役員報酬として認定された出費については会社での損金(税金計算上の経費)にならず、法人税と所得税のダブルパンチとなってしまうのです。
更に加算税も考えると、プライベートな支出を会社の経費で落とそうとして認められなかった場合のダメージは、相当大きくなるのがわかります。
以上、全3回に渡って昨年ワイドショーで騒がれていたニュースを取り上げてお話いたしました。
弊所では今回ご紹介したようなリスクについても事前にご説明しながらお客様の事業支援をさせていただいております。
法人化のご相談も近年増加しており、多数実績がございますので是非お気軽にご相談ください。
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